
令和7年度のNPO法人東大阪地域活性化支援機構・定例総会にて、株式会社四方継 代表取締役・高橋剛志氏をお迎えし、「未来を創る人づくり:建設業界の危機と再生への道」と題した特別講演が開催されました。
中卒から大工の道へ入り、数々の矛盾に直面しながら「このままでは職人がいなくなる」という危機感のもと起業。以来、「人を育てること」を軸に会社を運営してきた高橋氏。その言葉には、現場から生まれたリアルな実感と、未来に向けた覚悟が宿っていました。
「教育機関としての企業」へ――若者がとどまる場所を創る
建設業界が直面する最大の課題。それは若者が業界に入らないこと。低所得、曖昧な雇用形態、育成不足…すべてが「選ばれない理由」になっています。
高橋氏は、こう語ります。
「鳥でも人でも、とどまりたいと思える場所じゃなかったら、誰もそこにいない。」0
若者が安心して学び、挑戦し、成長していける。そんな場を企業が提供できるようにならなければ、未来はない。だからこそ、企業は「教育機関」としての役割を担うべきなのだと、強く訴えました。
“志”を育む「人づくり」の実践
高橋氏の会社では、社員を単なる労働力と捉えず、自らの人生を生きる人間として育てる取り組みが進んでいます。
- 社員の中から社内起業家を育てる研修
- 高校を運営するプロジェクトを通じた人間教育×実践スキルの融合
- 「自分の家を自分で建てた元・問題児」もいるというキャリアパス制度
- 地域とつながり、人を支える地域通貨・無料塾などの活動
「志ある経営」が実際に社会を変えている――そんな実例があることに驚きました。
経済とは「世を治め、民を救う」もの
最後に高橋氏が語ったのは、「経世済民(けいせいさいみん)」という、経済の本来の意味。
「今だけ、金だけ、自分だけでは未来はつながらへん。」
この言葉は、モノづくりに関わる私たち一人ひとりへの問いかけです。企業の利益と社会の幸せを切り離すのではなく、「共に生き、共に栄える」道を模索していく。その先にこそ、持続可能な地域と日本の未来があるのだと。







支援者・仲間を募集しています
NPO法人東大阪地域活性化支援機構では、このように「人づくり」や「地域づくり」に共感し、共に動いてくださる個人・企業の支援者・仲間を広く募集しています。
未来を担う若者の育成に、あなたの力を貸してください。
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NPO法人東大阪地域活性化支援機構の活動が本になりました

「未来を創るモノづくりのDNAを受け継ぐ一冊」
東大阪市が誇るモノづくりの歴史と技術を未来へつなぐためにまとめられた『東大阪モノづくりのDNA』。地域の職人たちの情熱と創造力を感じ取りながら、次世代を担う若者たちへのエールを込めました。この本で、日本のモノづくりの魅力とその可能性を発見してください。